今回は「旧車」についてのお話
旧車に乗るってお金がかかります
断言しますが、旧車に乗るにはお金がかかります!
これはもう絶対かかっちゃいます。「古いから安い」んじゃなくて、「古いから高い」になりますので、ここのところよろしくお願いします
自転車にも「旧車」がある
旧車… クルマやバイクと同じく、自転車にもクラシックカーみたいなのがあります。好きで買い求める方は、もろもろをわかっていて買われるのですが、そうでない場合もあります。
たとえば「親戚から譲ってもらった」「友人や先輩に売ってもらった」ってケース。あとは、買ったまま長く放置されていた愛車。セルフクラシックカーみたいな感じ。お仕事や子育てが一段落されて、「そういえば…」と引っ張りだして来られるものです。
久々に乗る際にはメンテを
屋外で雨ざらしになっていたとか、フレーム(本体)が壊れているとかでなければ、だいたいの自転車はまた乗れるようになります。ですが! 久々に乗る際にはぜひしっかりメンテをしていただきたい! と、強くお願いします
そしてそのメンテナンスなのですが… 実はかなり費用がかかるのです。
どうして費用がかかるの?
それは、思っているよりも広範囲にパーツ交換や修理が発生するケースが多いからです。
もう少し詳しくご説明しますね
最低限の修理だけでも
まずは最低限の修理から。
劣化しがちなゴム部分を新品にする
錆びつきがちなワイヤやチェーンを新しくする
こんなところで再生できればラッキーです。調べてみると、ほかにも「修理が必要です」「交換しましょう」って部分が出てくるかもしれません。命を預ける乗り物ですから、しっかりメンテナンスしていただきたいです。
タイヤ、ブレーキシュー、ワイヤ、チェーン… これだけでも全部交換すると多分ですが2~3万円とか、それ以上とかかかります
MTBで、前にサスペンションが付いているタイプだったら… ちょっとここ跳ね上がっちゃうかもしれません
古い部分のカスタムも
次に、(今では)使いにくくなった(?)部分のカスタムがあります。
こちらも、いろんなケースがありますが、多いのは…
チューブラータイヤを、クリンチャータイヤに交換した
ダブルレバーをやめたい
かんたんそうなカスタムも、さまざまな部分に影響が出ることが多く、見積を出すと高額になりがち。ちょっとビックリされてしまうこともあります。でも、小さな変更でも、システムをガラッと変える必要がある場合も多いため、ある程度は仕方ないことになってしまいます。
見た目と快適さのカスタムも
例えばいろんなところが錆びている
バーテープが悪くなっている
グリップがベタベタしている
サドルが破れている…
そんな「安全性」にはあんまり関係ないけれど、見た目と快適性に大きく関わる部分は、直しておくと「自転車の楽しさ」がグッとアップします
こちらもぜひぜひ!
お値段はピンきりですし、何を交換するか? で違いますが… やっぱり結構大変かも?
互換性の問題もあるかも
もうひとつは、互換性の問題。
自転車って変わってないように見えて、いろんな部分が変わっています。現在作っているパーツでは互換性がないこともあり、サイアクの場合「修理できません」となることも。他メーカーから代替品が出ている場合もありますが、思わぬ高額になることもありますし、「これしかムリ」的な選択肢のなさに悩まされることもあります。
また「この部分だけ変えられると安いけど、その部品はもうないので、もっと大きな部分から交換」みたいなケースもあります。家でたとえると、ドアノブが手に入らないからドアごと交換、もしくはドアもサイズのあうのがないから玄関から作り直しみたいな感じでしょうか? もしくはドアノブを注文して作るってこともあります。ときにはドアノブひとつ交換するために、家の基礎工事から考えなきゃ行けない場合もあったり…
そんなこんなで、思っている以上に費用がかかるのです。
でも旧車ってステキです
旧車を愛して「これに乗りたい」って思う、もしくは以前に惚れ込んで買った愛車にまた乗りたいって思うのって素敵です。
そういう方の旧車維持・復活は全力でお手伝いします
しかし、とくに「安く譲ってもらったから乗っている」っていう方のなかには、「安いから」「手軽だから」と旧車を選んでいる場合もあります。
でも「快適」「安全」に乗ろうと思うと、「安いから」「手軽だから」から離れてしまうこともあるんです。
新車を買ったほうがずっと安かった! と後悔したり…
現状だと危険だとわかっていて騙し騙し乗っていたり…
そんな方もいらっしゃいます。
旧車にまた乗る、もしくは乗り続けるためには、新車よりも手間やメンテ費用がかさむ場合は多い。そう理解していただいて、そのうえで旧車に乗るのか、そうではないのかを決めてください。
その特性をわかって乗られるなら、旧車ってとってもステキだと思います。思い出の詰まった愛車。誰かから引き継がれた愛のこもった一台。ぜひ大切に乗り続けてください。