あちこちたくさん手を入れる大きな修理やカスタム、そして残念ながら事故にあってしまった場合など「お見積り」が必要な自転車のメンテやカスタム。
こういったケースって一般的に想定してもらっている以上に時間も費用もかかりますし、ご依頼の方に判断してもらう項目も多いので、結構大事になりがちです。ですので、じっくりお話をお聞きして、しっかりご相談させてもらいたい。
今回はそういう大きな修理やカスタムのお話
ひとつひとつしっかり対応していきます
最初の状態がそれぞれ違いますし、ご希望もまったく異なりますので定形の対応はありません。ですから、細かくご相談したり、ご希望をお聞きしたりしながら、しっかり修理やカスタムさせていただきたいと思っています。そうなると、やっぱりお時間がかかります。
侍サイクルでは、そういう対応をしたいと考えていますので、ご理解ください。
なぜそうなのか? 主に大規模な修理を想定して、ご説明します。
- お見積り、対応にはお時間が必要です
- 意外と費用がかかります
- お見積りは無料ではありません
- 何をするか、どれを選ぶかは決めてください
- 全部を満たすのは不可能かもしれません
- お見積りから変更が出る可能性も…
1.お見積り、対応にはお時間が必要です
お急ぎの方もいらっしゃいますが、どうしてもお見積りにも、修理対応にもお時間がかかります。とくに「ずーーーっと乗ってなかったので、なんとかしたい」「あっちもこっちも壊れてる」「どこがってわけじゃないけど、なーんか調子が悪い」などの場合は余計に。
時間がかかる理由はさまざまです。取り替えなければならないパーツが多い場合は、すべてが揃うのに日数がかかります。2020年頃からはパーツ供給が不安定なので、「次回入荷が半年後!」みたいなケースも発生してきています
また、どこが悪いかわからない場合はその検査や検証に時間がかかります。影響が大部分に出ていれば、それだけ作業が増えますので時間も伸びます。
「スポークが折れている」「パンクした」など、不具合がどこかわかっていて、その影響範囲も限られている場合はどこを触ればいいかわかりやすいのいいのですが
例えば「異音がする」「なんかスムーズに動かない」などの場合は原因の特定にも時間がかかります。経験上、すぐに解決策がわかることもありますが、可能性がある箇所を消去法的に1箇所ずつ潰すしかないことも多いのです。
ご相談しながらしっかり対応させていただくためにも、お時間をください。お急ぎの場合は対応しかねることもあります。忙しいからというよりも、「きちんと修理して、安全で快適な自転車にする」という目的を果たせないと思うからです。
もちろん「ビワイチの途中だから」「今日中に帰らないと」などご事情があってお急ぎの場合は、できる限り対応します。その場合は応急処置的な対応(とりあえず帰れる程度など)になる場合もあります。もちろん、ご説明はしっかりします。
2.意外と費用がかかります
パーツをたくさん交換するカスタムは、当然費用が高くなります。
ですが「ちょっと調子が悪い」という程度、「最低限走れるようにしたい」という要望でも、予想外に高額になることもあります。
意外と影響範囲が広い修理も多く、解決のためにはパーツをたくさん変更する必要があったり、あっちもこっちも修理しないといけないことも少なくないからです。
また自転車のパーツは1つでもかなり高価なものもありますし、互換性の問題や、パーツが廃番になっているなんてケースもあります。ほとんどの場合、修理する方法はあるのですが、係る部分のパーツを全部まるごと交換しないとダメなんてことにもなったりしまして… ある程度はどうしようもないのが現状です。
もちろんお見積りをさせていただきますので、「高っっっっ!」と思われたら、部分的に、もしくは全部中止にしていただいても大丈夫です。そのためのお見積りなんですから。
ときには新車が買えるようなお見積りになることもあります。思い入れのある愛車ならぜひ修理して乗っていただきたいですが、そうでない場合は。。。 やっぱり悩んでしまいますよね。
3.お見積りは無料ではありません
お見積りの結果「やーめた」ってなっても大丈夫なのですが、お見積りの作成には工賃が発生しますので、検査料として料金をいただいています。お見積りの結果、ある程度でも実施していただいた場合は、この検査料と施工費用の高い方だけをちょうだいしています。
検査料に関しては、ご依頼時にご説明しています。
状態を観ながら「○○円くらいです」まででしたら、基本は無料です。が、ここから先、「もっと細かい金額を」とかになってくると、カンタンではなくなっていきます
「ちょっと見積だけでも頼んでみよう」とか「相見積をとってどこかで」と、気軽にお見積りのご依頼があります。ですが、修理のお見積りは、新車購入のお見積りとは性格が違います。現状を把握して、不具合の箇所とその原因を特定して、必要なパーツや工程を算出して… という結果がお見積りです。となると、それを作るところまでで、工程の1/3~1/2くらいが終わっているという可能性もあります。
パパっと対応できないのはこんなわけで。そんなわけですから、有料とさせていただいています。こちらもご理解ください。
4.何をするか、どれを選ぶかは決めてください
お見積りの結果、やる/やらないを決めるのはあなたです。
一部のみ実施する場合も、どれをするかを決めるのはやっぱりあなた。
自転車屋的には、修理の場合お見積りに上がっているものはどれも「できれば実施したほうがいい」項目ですから。ムダなものは、ご希望がなければ入れませんし、はずせるものはそんなふうにご説明しています。
「どうしたらいいですか?」と聞かれることも多いですが、前提を決めていただかない限り、「全部やってください」がコタエになります。安全で快適に走るためにという観点でお見積りさせていただいていますから。
「前提を決める」というのは、「予算○円の範囲で」とか、「こういう方針で」と決めていただくってことです。「ムリです」となる可能性もありますが、条件があればそれにしたがって一緒に選ぶこともできるんじゃないかな? って思います。
丸投げでは対応できないってご理解くださいね。
5.全部を満たすのは不可能かもしれません
修理をした結果、不具合はある程度解消されます。でも新品に戻るわけではありません。
ですから、すぐに他の部分に不具合が出てくるかもしれませんし、修理した箇所だって新車と同じ性能や感触ではないかもしれません。「買った時みたいに、快適に」っていうのは不可能に近いです。
自転車の修理を、自分たちはよく「歯痛」に例えます。普段からコマメに対応していれば発生しない可能性が高い。でも一度なってしまうと、放置しても絶対によくならない。そしてどんどん悪くなる。
歯が痛い! そんな時は歯医者に行って治療すれば、痛くはなくなりますが、患部を削ったり、なにか詰めたり、歯を抜いたり、差し歯や入れ歯にしたり… そんなことになっていますので、決して元の健康な歯ではありません。
自転車の調子ってこんな感じ。日頃からメンテしていれば、そもそも発生しにくい。でも発生したら放置してもダメ。そして修理しても、不具合は改善・消滅しても、完全には元に戻らないってことです。
もうひとつ、「安くて」「早くできて」「しっかり、きちんと修理できる」ってこともありません。少なくともどこかは譲歩していただく必要があります。
6.お見積りから変更が出る可能性も…
最後は、申し訳ないんですが、こんなお話。
お見積りはできるだけしっかりさせていただきますが、「いざ修理!」となってから変更が出てしまう可能性もあります。実は結構あります。すみません。
多いケースが、思ってもいなかった部分に修理が必要というもの。たとえば「タイヤとホイール周りと…」ってことでお話をしていてお見積りしていたのに、修理をする段になって、「シフターの調子が悪い」なんて場合です。
そのままでは危険だったり、快適に乗れない場合は追加で交換をオススメすることになります。レバーだけですむ場合もあれば、他の部分にも類が及ぶこともあったりします。
ほかにも、「BBを開けたら、大変なことに!」とか、「ワイヤーがビックリするほど錆びていた」なんてこともありました。ほかには、「現物合わせした結果、互換性がなかった」ってことも。
そんなときは、追加が発生します。想定はしているのですが、思っていたよりも! ということもありまして、それは申し訳ありません。
わかった時点にご相談、ご報告させてはいただいていますし、できるだけ発生しないようにしていますが、ご理解いただけると幸いです。
本音を教えてください
もうひとつ、お願いしたいことがあります。それは「本音を教えてほしい」ってこと。
ご予算についても、ご希望についても。まずは赤裸々に話していただいて、そこからすり合わせる方が早いです。
状況についても本音でお願いします。
たとえば「転倒したのか、そうではないのか」で、チェックする場所はかわります。「たくさん乗ったのか、そうでもないのか」、「屋外に置いていたのか、室内保管だったのか」…… いろんなことがありますが、どうして現状になったのか、どこをチェックすればいいのか知るためにも、できるだけ本音で。
よろしくお願いします