また、商売にはなんの関係もないお話。
品質云々は関係ないし、OEMやODMが悪いなんて一切思いません。でも、幻想(嘘)を売ってきたのに? って思うんですよね…
『CYCLE SPORTS』誌のWEB記事を見て
『CYCLE SPORTS』誌のWEBにこんな記事が載りました。
→ 安井行生のロードバイク徹底評論 第6回 YONEX CARBONEX vol.1
レビュー本文よりも、その前置きの部分が気になります。
アジアの工場があらかじめ用意しているフレーム、いわゆるオープンモデルのライセンスを買い取り、ブランドロゴを貼り付けていかにも「我が社が開発しました」風のキャッチコピーを付けて作りニューモデルとして売り出す。もしくはコンセプトや販売価格だけを決め、フレーム設計は工場側に丸投げしてしまう。
自転車マスコミが爆弾を???
ついに『CYCLE SPORTS』誌、つまり自転車マスコミがこういう話をするんだなぁと、驚きます。今までさんざん、幻想?? を生む手助けをしてきたのが、マスコミじゃないの? って思うから。まぁ当たり前です。マスコミったって、広告がないと成り立ちませんし、写真だって情報だって、メーカーや代理店の協力がないと作れません。
そちらの肩をもつのは当然です。
こういうことは一部の話ではなく、有名なあのブランドでも、あちらのブランドでも、あんなブランドでも、実際にごく一般的に行われています。
だからといって、悪いわけではありませんし、品質が低いわけでもありません。ただ、「メーカーがこういう設計思想で作り上げた」とか、「職人がこういうことを考えて作ってきた」という物語を語ってきたのが、強く言い過ぎると「だましていたのでは?」となり、もう少し柔らかく言うと「隠していたのでは?」ということになるから。
自転車は『ブランドストーリー』の世界です
自転車だって工業製品なんだから、別にOEMもODMもいいじゃない! そう思うかもしれません。
でも自転車はブランドが非常に強い業界です。「そのブランドが、もしくはブランドのカリスマが作った」ところに価値を見出してきたんです。その点、服のブランドと同じ。
あのデザイナーが! デザインしたからほしいんです。でもそれが、デザイナーの弟子でも、会社の社員でもない、どこか全然知らない人がデザインしたものだったら? それを見たブランドが、「あ、これうちの商品としていいじゃん」と思って買い取り、タグだけつけて売ったとしたら? なんか「騙された」って気になりません??
日本酒も同じかもしれません。「桶買い」なんて言葉がありますが、よその酒造で作った酒を買い取って、混ぜて売るってことがある(らしい)ですよね?
でも買う人は、「●●酒造の杜氏さんがすごい」「あの酒蔵の麹がいい味を生む」と思って買っているのかもしれません。それを煽るために、広告では杜氏さんにいろいろ喋らせたり、仕込みをしているシーンを写していたとしたら? やっぱり「なんか思ってたのと違う」って思うんじゃ?
品質どうこうは別の話だけど…
何度も書きますが、品質が悪いとかじゃないんです。それは別の話。
でも今まで「公然の秘密」であり、「あんま言っちゃダメ」みたいだったものを、言っちゃうんだ! って驚きがあります。
そのうえ、「その幻想を煽っていたあなたたちが? 今、言っちゃうの?」っていうのがあります。
さらに、「どういう意図で?」ってのもあります。
元記事、ひとつのメーカーをレビューするために、今までのほとんどや、ほかの多くのメーカーを下げてません?
もちろん知っている人は知っています。「つくってもないし、設計だってしてない」ってこと、「他所から買ってきてる」ってことも。でも! って本当にビックリします。
もしかして、「そういうのはダメ!」って言いたいんですか? 大きなメーカーやブランド、みんなが憧れているようなブランドだって、平気で買ったものに名前だけつけて売ってるじゃないですか。
買ってきたフレームなのに、「●●(職人・カリスマの名前が入る)が開発し」とか、「こういう設計思想で」って雑誌や自社のWEB、カタログに書いてあったりして。それって言い過ぎると「嘘」じゃないですか? そしてやっぱり「騙している」ってことじゃないでしょうか?
幻想(嘘)とブランドが買いたいですか??
品質はいいかどうか? は真面目に別問題です。結局乗ってみないとわからないし、乗ってみたってわからないかもしれないし。ファンライドなら、どれだって楽しいと思うんです。
じゃ、どうやって選ぶの? ってお話
もちろん幻想(嘘)とブランドを買うのもいいと思います。
でも自分たちは、哲学とか気持ちを買いたい。そうなると、真面目に自分たちでつくっている、設計思想を持ってつくっているところがいい。そう思うんです。
だからお話を聞きに行く。会社や工場を見せてもらう。そうやって、真面目に作っているところの商品を売りたいです。嘘で騙さないところがいいと思います。最終的に人と人です。侍サイクルが好んで売っている商品や自転車は、売っている人、つくっている人に惚れたものが多いです。結局はそういうことかと。
その対極にあるのが幻想(嘘)を煽る手法なんじゃないか? と思うんです。
誠意のない自転車や商品は扱いたくないと思います。少なくとも、侍サイクルではできるだけ扱わない。だって自身を持ってすすめられないじゃないですか。誰がつくってるかもわからないし。
自転車マスコミは広告屋さんです。だから本当のことしか書かないわけじゃない。だってホントなんて書けません。信じるも信じないもアナタ次第。お金をたくさん出すところをいいように書くに決まってます。だからって悪くない。あっちもコッチも商売ですから。でもアタマから信じ込むのはおすすめしません。
侍サイクルだって商売です。もちろんこのブログも商売。侍サイクルが売れるために書いてますよ。ここ重要。売れるために書いてます! 2回言いましたよ。売れるため! ダメ押しでもう1回。
だから信じるも信じないも、やっぱりアナタ次第。だから眉に唾をつけながら、読んでいただければ幸いです。
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