誰の得になるのかわからないんですけど、ときどき書いちゃう「自転車業界のお金」の話。
「工賃で儲かってる」ってホント?
「自転車屋って工賃で儲かってるんでしょ?」とか、「自転車本体やグッズが売れなくても、手間賃があればいいじゃない?」と言われます。
ある程度は真実なんですが、それじゃお店は回らない。工賃と物販は自転車店の両輪。どっちかだけでは厳しいんじゃないか? と。いやまぁ物販だけならまだなんとかなるような気もしますが、工賃だけじゃ、どうにもならないんです。
工賃は時間との戦いでもある
たとえば、パンク修理。某店で1000円だとしましょう。使うものは、ノリとパッチ程度。水とか電気とか工具も使いますし、技術料というか、人件費が一番大事な部分なんですけど、まぁややこしいので割愛。ってことは原価は100円以内。1つ直せば900円の儲けです。
でも1日10件修理しても、9000円しか残らない。1カ月… まぁ25日? 毎日それだけ直して22万5000円。これじゃ家賃などの経費を払うのも厳しいかもしれないし、諸々の経費を考えたら。。。 食えないんじゃないでしょうか?
じゃ、1日100件だったらいいのか? っていうと、1日100件も来るわけないし、来たって時間的に直せません。期間をもらうか、人を増やして人海戦術で行くか… でもそれじゃ、本末転倒ですよね?
それならもっと高い工賃になるカスタムやメンテは? っていうとそれも難しい。どうしても「かかる時間=工賃」な部分がありますので、工賃が高いってことは時間もかかるってことになります。時間は有限ですから、できる量は限られます。ってことは、やっぱり限界があるってことじゃないでしょうか?
物販はどうか?
対して物販。たとえば100万円の自転車。90%で仕入れたとすると10万円が手元に残ります。自転車を組むのは、めちゃめちゃしっかりやっても1日くらいでしょうから、1日10万円が残ります。いろいろ極端ですが、そんな感じ。
物販のすごいところは、やり方次第でいくらでも売上も利益も増やせることです。コンビニとかスーパーみたいに、棚から勝手に選んで来られて、それを売るだけでいいなら、どんどん売上があげられます。利益率自体は大きくなくても、大量にでも売れる、すごく高価なものもあるっていうのが、工賃とは異なるところです。
だからやっぱり店舗運営をするうえでは、物販も欠かせないんじゃ? そう思ったりもします。ですから、「工賃がかかることは実店舗で、でも物販は通販で」と、全員が考えたら… 多くの自転車店は潰れてしまうんじゃないか? って。まぁ「それでいいじゃん」って言われちゃうと、それ以上は何も言えないんですけどね。
どっちがいいワケじゃなくて
工賃には仕入などがありませんから、当然利益率は高いです。でも、時間には限りがありますので、ある程度までしか対応できませんし、それだけじゃ、店舗運営はむずかしい。
大都会なら、工賃仕事だけでも生き残れるかもしれません。腕がいい、技術が高いなら、十分な需要もあるんじゃないか? と。でも地方都市だと厳しいような気もします。まぁ、やりようなのかもしれませんが。でも、自転車を売ってなくて工賃仕事だけで成り立っているお店は、あまり知りません。ってことは???? ってことじゃないかと。
まとめ????
まぁ何が言いたいのかといいますと…
自転車店を続けていくにあたって、工賃だけでも、物販だけでも厳しいってことです。
やっぱり自転車店では「工賃」と「物販」は両方大事ってこと。
どっちかに偏ると、お店って成り立たないんじゃないのかな? ってお話です。おもしろくないけど。。。 自転車業界ってこんな感じで回ってますってことです。