自転車を買うときに「実車が見たい」「試乗車に乗ってみたい」って方がいます。
侍サイクルにも、よく「○○ありますか?」って電話やメールがあったりもしますが。。。 ちょっと難しい可能性が高いですよってお話。
試乗車はめずらしい!
まずそもそも試乗車は少ないです。実車があったとしても、またがってみる程度。「お店から出ちゃダメです」ってところがほとんどじゃないでしょうか。新車をずらっと並べた大型店舗でも、その可能性が高いです。まれに試乗車がある場合もありますが、レアなんじゃないじゃな? と思います。
ときどき行われている「試乗会」に行くか、「サイクルモード」などの大きなイベントで乗るのが一般的です。
どうして試乗車がないのか? それは試乗車が無料じゃないから。自転車店が買って、試乗用に提供しているのです。メーカーによって、モデルによって試乗車として販売してもらえる場合もありますが、それだってタダじゃない。だから、お店は投資をして試乗車を確保しているのです。
試乗してしまうと中古になりますので、定価では売れない。だから試乗車はマイナスです。試乗車って減るんです、価値が。だから置けないし、置くとしてもムリしている可能性が高いです。
侍サイクルの店頭にも何台か試乗車がありますが、試乗価格で仕入れたモノは2台のみ。あとは正価で買って置いています。それはもうマイナスです。でも、「スポーツ自転車ははじめて」って方も多いので、「こういうものですよ」って雰囲気を知ってもらうために置いています。
試乗車はマイナスです
「試しに乗って、買ってくれるならいいじゃない」と思うかもしれません。それで元がとれるのは大きな自転車店だけです。にしたって超人気車種だけじゃないでしょうか? 小さな自転車店では、年間に売れる台数から考えても難しい。
しかもスポーツ自転車は毎年モデルチェンジがありますので、試乗車は1年だけしか使えません。半年~1年ほどで置いておいたら、それを廉価で処分しないといけまないってこと。要は、マイナスにしてでも売るってことです。
置かなくて済むなら置きたくない。だから、試乗車が少ないんです。
しかも、自転車にもサイズがあります。たまたま試乗車があっても、サイズが合わなかったらあまり意味がありません。ごくごく小さいターゲットのために、試乗車を用意するのはホントに難しいのです。
「試乗会」はチャンス
お店なんかが主催の「試乗会」はメーカーさんや代理店さんが、期間限定で試乗車を貸してくれたりして実施するのが大半です。だからそんな機会があって、気になる自転車があるなら、その機会を逃さないように乗ってくださいね。
侍サイクルでも、ときどき試乗車を貸していただくときがありますし、今年は試乗会もできたらいいなぁって思っています。そんな機会を有効活用してください。
「実車が見たい」って何が見たいの?
「実車が見たい」っていうのも同じです。1年でモデルチェンジしちゃうから、店頭在庫は小さく抑えないと大変。しかも箱から出して組んで置いておくと、「展示品」という扱いになって、定価では売れなくなっていきます。だから、在庫を抱えるのはマイナス要因になってしまうんです。展示車も、置いておくと減るんです。
ひとつ考えたいのが「実車が見たい」の人が何を知りたいか? ってことです。
最近はカタログだけじゃなくて、WEBサイトに写真やスペックが全部書かれています。モデル名で検索をかければ、いろんな角度からの写真も見られますし、いろんな方のレビューや感想も読めます。
そのうえで「実車が見たい」というのは、何を求めているのか? ってことです。
乗ってみたい。は、先ほども書いたように難しい可能性が高いです。
サイズ感やからーだとしたら、まさにそのサイズや、カラーがないといけません。ちょっと違うサイズ、違うカラー、ほぼ同じような昨年モデルじゃダメってことですよね? スポーツ自転車にはサイズもカラーもたくさんあったりしますので、出会うのはなかなか難しいかもしれません。
人気のメーカーや人気の車種で、ベタなサイズならいいですが、ちょっと珍しいメーカーやサイズだったら、日本中探しても難しいかもしれません。だって「絶対にある」ってものじゃないですから。もしかしたら「存在しない」のかもしれませんし。
こういう部分が確認したい! と、説明してくれれば、たとえ実車がなくてもわかるかもしれませんし、何かしら代替案がでてくる可能性もあります。だから、ただ「実車が見たい」じゃなくて、「○○だから、実車で確認したい」って言っていただけると、お互いに嬉しい結果になるかもしれません、
まとめ!
試乗車はなかなかありません。実車もなかなか出会えません。
申し訳ないですが、そういうモノです。モデルチェンジがもっと少なくなったり、お客様が「型落ち」と呼ばなくなれば違うのかもしれませんが、現状では仕方がありません。
また試乗車や展示車は減ります。それを覚悟して置いていますが、できるだけ丁寧に扱っていただくのは、ルールであり、マナーかと思います。またその試乗車、展示車はマイナス覚悟で置いている資産だってことを少し意識していただくと嬉しいです。