「ビジネス的にあわない」って何? ってお話。
あ、写真は何の関係もありません。彦根の焼肉屋さん『焼肉壱番』さんの写真。オススメっす。
ビジネス的に考えると???
自転車って基本は原価がとっても高い業界です。
たくさん買えば(仕入れれば)安くなりますが、小さな店じゃなかなかむずかしい。ってことで、原価がとっても高い。
なので、よく「時間をかけちゃダメ」って言われるようです。
相談とかじっくりのっちゃダメ
他店購入の自転車を扱っちゃダメ
複雑な修理を請け負っちゃダメ
なんて。
自転車の組立にも時間をかけちゃダメ
そうも言われます。20分とかで組み立てるお店もあるみたいです。
あとは…
納車に時間をかけちゃダメ
なんて話も。
とりあえず、時間がかかる割に費用が安いものは断らなきゃダメってことです。
それってホントにムダなの?
まぁ一理はあると思います。ビジネス的に考えれば、費用対効果が合わないものは、やらないほうがいいんでしょう。
店頭に並んでいるものを、右から左に買ってもらうのが一番でしょうし。省ける時間は省くほうが、ビジネス的ってか、儲けとしては正しいんだと思います。
でもそれじゃ楽しくないし、親切でも安全でもない! って。
はじめてスポーツ自転車に乗る方に、「ハイ」って渡して終わりじゃダメ。説明しなきゃいけないこと、知っててほしいことがいっぱいあります。また口で説明してもわからないことも多いので、試したり、実践したりしてみてほしい。そうしてはじめてわかること、疑問に思うこと、戸惑うこともあるはずなので。
自転車の組立だって、ただ組み立てるなら20分もあれば十分なのでしょう。でもいろんな部分の調整をして、不具合があったら修正して、長く使えるようにしていくと、20分なんかじゃ終わらない。
でもこれがムダか? っていうと、そうじゃない。
ビジネス的にはムダって判断なんでしょう。自転車を売って終わり、パンクを修理していくらって商売って考えるならムダなのかもしれません。
でも絶対そうじゃない。
何を売ってるか? 考えると…
いつも言っていますが、侍サイクルが売っているのは自転車じゃありません。売っているのは「自転車のある楽しい暮らし」。
楽しく自転車に乗るなら、丁寧に組み上げた自転車を渡したい。ちゃんといろいろ説明してからお渡ししたい。相談だって乗りたいし、カスタムだってちゃんと請けたい。そういうことです。
ビジネスじゃないのか? って言われると、確かにビジネスです。でも儲けたいから自転車店をやってるんじゃない。儲けたいなら自転車店なんてしません。自転車で街の景色を変えるって野望に向かっての行動なので、いろいろ言われても時間をかけてちゃんとやる。それでいいんです。
効率なんて知らねー!
誰の得にもならない話で恐縮ですが…
まぁ「割にあわない」とか、「ビジネス的にね…」なんて話、知らねーよ! ってことです。
それで潰れちゃったりしたら「ざまぁ」とか言われるのかもしれませんが、そうならないように。「儲けとかビジネスとか、効率とか言わなくなってなんとかなる」ってところを見せられるように、じわっと続けていきたいな。そんなふうに思うのでした。