「一晩限りの大人の遊び」なんてタイトルで書きだしますが、
別にぜんぜんエッチな話じゃない。フリーレンの投げキッスよりもエッチじゃない。
なんの話かと申しますと、ワタクシの愛読書に『ジャストライド』という本がございまして。
書いているのはグラント・ピーターゼンというお方。このピーターゼンについては今回は関係ないので、また別の機会があれば。
サブタイトルが「ラディカルで実践的な自転車入門」なんて書いてあるわけです。
なになに「ラディカルで実践的」?しゃらくせぇ?ラディカルなんて言葉使うやつうさんくさい詐欺師に違いねぇ。塩撒いときな!
ってなもんですよ、ええ。ワタクシも実際にそう思ってましたよ。
そもそも「ラディカル」とはなんぞや。1つめは「過激なさま」「急進的なさま」、2つめは「本来の」「根本的な」という意味。
本書の意味的に考えると、自分は2つめの意味がふさわしいかと思います。
このピーターゼンさんの主張は「レーシングは種を滅ぼす」、
つまり「レーシングに偏った考え方や指南は自転車そのものを衰退させる」という過激な(!)哲学をお持ちであります。
ここだけ切り取って話してもアレなので、ご興味のある方はぜひ侍サイクルにてお買い求めください(文中に唐突な広告・宣伝が含まれています)
ででで…、この本の一部の内容をお伝えしたいわけでして、というのが今回の内容。
この本の中で書かれている「S24O」という遊び方が大変優れていて、かつ自分も参考にしているので、
皆さんにご紹介したいと思います。しばしお付き合いください
「S24O」を略さずに書くと「Sub-24-Hour Overnights」。「24時間以内の1泊旅行」ということ。
昼過ぎや夕方くらいからスタートして、1~3時間くらい走った先でテント泊して、翌日の午前中には帰宅する。
そういうルールで行うキャンプライドを「S24O」と著者のピーターゼン氏は呼称している。
走る距離も短いのでルート計画なんかも必要ない。
忘れ物や持ち物の不具合があったとしても、朝になれば家に帰るだけだから、ちょっとの間辛抱すればオーケー。
逆に走る距離が少ないんだから、めちゃくちゃ大荷物を持っていくことだってできる。
「1~3時間くらい」ではよいキャンプ地がないのだったら、近くまで自動車に載せていけばいい。
つらいことでも、楽なことでも、いろんなことが「S24O」なら許される。
キャンプ地がうるさかったり、狭かったり、あまり良い場所じゃなくっても、一晩限りのことだもの。ドンマイドンマイ。
大変な失敗をしても笑い話で済ませられる。もちろん命の危機がない範囲だけれども。
「S24O」ならば、プランニングや荷物選び、天候といったキャンプツーリングに出るための障壁をぐぐぐーっと下げてくれるわけです。
「プランニングや荷物選び、悪天候での走行がキャンプツーリングの醍醐味だろうが!」というベテランツーリストさんには物足りないかと思いますが。
「S24O」を繰り返すことで、長期間のツーリングライドに備えることもできます。
プランニング、キャンプ用品の選定、トラブルの回避方法…エトセトラ、エトセトラ。
「この道具、使いにくいなぁ」「いらないものたくさん持ってきちゃったなぁ」そんなことを繰り返して日々、日進月歩。
キャンプツーリングの達人になっていくわけですのよ。自分の場合は、遅々としてその歩みが進まないのですが。「じゃあ効果ないじゃん」とは言いなさんなよ。
しかもこの「S24O」、大きなメリットがあります。
それは「周囲の許可」を得やすいということ。
例えば3週間のキャンプツーリングに行くとして、どうですか皆さん。
ご家族は許してくれますでしょうか? 会社の仕事の段取りは?
目の前の壁は厚くて高い。でも週末、「一晩限り」であれば、ご家族ニコニコ、仕事は無問題。
いいですねぇ~。素晴らしいですねぇ~。
そりゃあね、3週間のキャンプツーリングも素晴らしいですよ。でもね、そんな簡単にいかんわけですよ。
だからこその、この遊び方。
「一晩限りの大人の遊び」。
キャンプツーリングにご興味の方はぜひお試しあれ。
というわけで皆さんレッツ、サイクリング