曲がってしまうことが多いパーツ「ディレーラーハンガー」について
ディレーラーハンガーって?
多くのスポーツ自転車には「ディレーラーハンガー」という部品がついています。
どこ? っていうと、写真の部分の黒いパーツです。わかりにくいんですが、フレームとディレーラーをつなぐ台座的なパーツです。
種類がすごい!
このパーツ、ホントにいろんな形があります。
ごく一部をポスターにしたものがありますが、裏表使っても紹介できているのはごくごく一部。
びっくりするくらいの種類があるといいますか、メーカやブランド、年式、自転車ごとに違うといいますか…
買う時はどうする?
ですから、ディレーラーハンガーを購入する場合は、基本はその自転車を買ったお店でお取り寄せになります。
メーカ・ブランド・車種・年式で異なるということは、基本はメーカがそのメーカやブランドだけのために作っているもの。ですから、メーカからしか買えません。
自転車店サイドでいえば、取扱のあるメーカのものは手に入りますが、それ以外は手に入らないということになります。だから「自転車を買ったお店」でお取り寄せということになります。じゃなかったら、そのメーカを扱っているお店ですね。
購入する場合は、メーカ・ブランドと、車種、年式が必要です。
お値段はどのくらい?
メーカーや車種によってお値段は違いますが…
1個2000~3000円くらいのことが多いでしょうか?
わざと曲がりやすく作ってます
この「ディレーラーハンガー」っていう部品、わざとすごく曲がりやすく作ってあります。
何か衝撃が加わったり、チカラがかかったりしたとき、この部品が曲がることによってチカラを吸収するようになっている。ここが固いとフレームが曲がったり、折れたりしちゃうので、ここが柔らかいっていうのはとっても大事なんです。
だから曲がるのは仕方ない部分。最近はメーカからもそういう注意書きが入るようになっています。
どうしたら曲がるの?
一番多いのは、転倒するなどで予想外のチカラが加わった場合。
でも、壁に立てかけてちょっとディレーラー周辺にチカラが加わったくらいでも曲がります。
もう少しいうと、普通に乗っていても曲がります。たとえば、変速を使った場合など、1回でどうこうというのはありませんが、何度も使っているとじわっと曲がったりするようです。
ですから「特に何もしてない」って思っていても、曲がっていることがありますので、注意が必要。
変速時の注意は守ってくださいね
自転車を買ったときに「変速はペダルを回しながら」とか、「こういう変速は使わないほうがいいよ」なんて注意を受けたと思います。
(受けてないなら、ちょっと問題かもですね)
その注意を破ると、ディレーラーハンガーに負担がかかります。つまり曲がる可能性が高くなる。ですから、その注意も守ってくださいね。
ホントに曲がりやすいので、最近は最初から換えのパーツが付属している自転車もあるほど。
それくらい曲がるってことですので、パーツをいくつか予備として買って持っている人もいたりします。
曲がったらどうなる?
あまり症状が出なかったり、気づかなかったりもするのですが…
「変速入りにくいな」
「変速すると、ちょっと異音がする?」
こんな症状が出たときは、キケンかも。すぐにチェックするか、買ったお店に持って行きましょう。
ディレーラーハンガーが曲がったらどうする?
で、このパーツが曲がると、基本は交換です。
新しいディレーラーハンガーを買ってきて取り替えです。
曲げ直すこともありますが…
ですが、「今すぐ困った」って場合は、反対側に曲げる応急処置をすることもあります。
でもこれはあくまでも応急処置。曲げ直しのときに折れてしまうこともありますし、あまりオススメできません。
またそのときは直ったとしても、一時的なもの。一度曲がったものは、曲がりやすくなっていますので、またすぐに曲がってしまうってことになります。
何度も曲げ直していると金属疲労な状態になって、そのうち折れてしまいます。ですから、「今すぐ困った」とか、「今日家に帰りたい」って場合なら、もしくは代替パーツが届くまでなら、それもアリ。でもそれじゃ解決にはなってませんので、やっぱり根本的に解決しないといけません。
今すぐ困った場合のお助けアイテム
今すぐ困った場合のお助けアイテムとして、「エマージェンシーハンガー」なるパーツもあります。
その名の通り、エマージェンシーな事態に使うものですから、恒常的な利用はメーカもオススメしていません。
今すぐ困った! 家に帰るまで、もしくは新しいディレーラーハンガーが届くまでに使うイメージです。
が、持っているとありがたい局面もありますので、使いようによっては便利です。
曲がったものを放置しているとどうなる?
ディレーラーハンガーが曲がったまでなら、「変速入りにくい」で済みます。
が、そのまま放置して折れてしまうと、大事故にもつながりかねませんし、ディレーラーやホイール、フレームにまで被害が及ぶこともあります。
そうなると、修理費用も期間もグッと増大しますし、フレームまで傷んでしまうと廃車にするしかなくなることだってあります。
自転車の修理は虫歯と同じ。問題が小さいうちにつぶしておけば、費用も、期間も、周囲への影響も、後遺症も軽くて済みますが、放置して問題が大きくなると、致命傷になってしまうことさえあるってことです。
ですから、「曲げ直しで大丈夫」とは言えませんし、言いません。「曲げ直しで大丈夫」なんて言うのは感心しないなぁと思ったりします。
だって、曲げ直しても元には戻らないですし、弱く・曲がりやすくなっているんですから、全然大丈夫なんかじゃないと思いますし。
まとめ!
ディレーラーハンガーが曲がった場合は、新しいものに変えましょう
とりあえずの応急処置はともかく、そうじゃないのに「曲げ直しでいい」はキケンじゃないですか?
よく乗っている自転車なら、換えのディレーラーハンガーを用意しておくのもひとつの考え方です