ノルマがキツすぎる自転車は難あり???
何度も書いていますが、自転車業界には多くの場合ノルマがあります。
マジメに自転車を売ろうという、ちゃんとした自転車店だけに取り扱ってほしいでしょうから、ある程度のノルマがあるのは理解できます。また、たくさん売ると掛率が下がるというのも、「貢献度」という点で当然かもしれません。
でもなかには、最低取り扱いノルマが年間数百万円なんてブランドやメーカーも存在します。これって、どういうことなんでしょうか?
直に聞いたわけではありませんので、本当のところはわかりません。でも考えるに…
扱ってほしくない
ってことなんだと思います。そうして同時に
扱う場合は、専売に近いほうがいい
ってことなんだとも。
比較して決めたい! ですよね?
専売にすると、お客さまにとっては不利益です。だって、「いろいろ見て、比較して選ぶ」こともできませんし、「いいところと、悪いところを教えてもらう」こともできませんから。
でもこれはブランドやメーカーにとっては不利益なんでしょう。他社の商品と比べられると、売れないかもしれません。もっと言っちゃうと、比べられると困る理由があるのかもしれません。
ホントのところはどうだかわかりませんが、それ以外の理由ってあるの? とも思います。
だからノルマがキツすぎるところは扱いたいと思わないので、扱いません。まぁ侍サイクルの規模じゃムリって面も当然ありますが。でもそういうところは、自分たち的にはあまり感心できないモノづくりをしている場合も多く、もし仮に、もちろん仮にですよ、「ノルマはなくてもいいから、取り扱ってくれない?」と言われたとしても、断るんじゃないか? そう思うメーカーもなかにはあります。どこかはナイショです。
自信があるなら、「どんどん比較してください」ってなるはず。比較されたほうが、自社の優秀さが分かるんですから。でもほかと比べられたくないってのは、自信がないからじゃないんでしょうか??? 推測ばっかりですみません。なのですが、やっぱりそう思えます。そんな自転車、オススメできますか? 自分たちはしたくないし、できません。
比較検討して決めたいなら…
世の中には、GIANTだけ、Cannondaleのみ、TREKオンリーなんてふうに、1つのブランドやメーカーしか扱っていないオンリーショップもあります。それはそれでいいんです。いろんなモノを扱っていると、なかなか多くの実車を置くことができません。「GIANTの実車が見たい」とか、「どれを買うか決めてないけど、GIANTしか買わない」と決めているなら、GIANTストアに行くのがベストの選択なんじゃないか? と思いますから。
でも多くの場合、そんなガッチリ決めている人は少ない。「いい自転車欲しいなぁ」とか、「○万円くらいでいい感じのがいい」とか、「アレと、アレと、アレのどれかがいいんじゃない?」とか、ぼんやりした希望の人が多い。となると、ひとつのブランド・メーカーだけしか見られないと困るってこともありますよね。そういう場合は、いろんな自転車を扱っているお店に行く方がいい。当然ですが、そうなります。
いろんな自転車を扱っているショップの利点のひとつは、「比較して決められる」ことです。A社の自転車とB社の自転車、どこがどう違って、どっちがいいか? ってことは、雑誌のレビューを読んでもわかりにくいでしょうし、オンリーショップではわからない可能性が高いです。でも、いろいろ扱っていると、そういう話にもなります。
侍サイクルでも、そんな説明はもちろんします。
たとえば、同じくらいの価格帯のクロスバイクでも、いろんな特徴やメリット、デメリットがあります。
A社はお値段はちょっと高いけど、その分いい部品がついているから、かえってコスパがいいかも
B社は全体的にいいんだけど、タイヤとブレーキが全然良くないから交換推奨
C社は車体が重いけど、とにかく頑丈なモノづくりなので、若い人がガンガン乗るにはオススメ
とか。もっというと、自転車を買ってどうしたいのか? どう使って、どんなふうに楽しみたいのか? そんなことをお聞きしつつアドバイス。通勤・通学で使うのか? ロングライドなのか? レースとかどうか? 遠くに行きたいのか??? そんなこんなで、オススメは変わってきます。
自転車って単なるモノを売ってんじゃなくて。「自転車のある楽しい生活」を届けたいですからね。
実店舗の良さは「説明」と「提案」
こんな楽しみかた、使いかたをするにはどの自転車がベストなの?
そのコタエは、WEBやカタログでスペックを見比べるだけじゃわかりません。広告料収入で成り立っているだろうマスコミは書きません。通販の画面じゃわかりませんし、特定のメーカーやブランドを扱っているお店じゃ語らない。そんな話ができるのは、いろいろ扱っているお店ならではなんじゃないかな??? なんて。
お店は、フラットな立場からデメリットもメリットも説明して、あなたにあった愛車を比較検討してもらいたい! そう思います。だから「よそと比較しないで!」なんて売り方(に思える)自転車はイヤなんです。
いい部分も、悪い部分も知って、値段も見て。そのうえで決める。それはお客さまの権利じゃないの? って。
誰かにとってのメリットも、他の誰かにはデメリットになります。また一見デメリットに見えても、メリットに思う人もいる。だから、「説明」とか「提案」って、大事じゃないでしょうか? 毎年、人気の車種はありますし、売れ線もあります。でも万人に合う自転車はありません。
丁寧に、誠実に。侍サイクルはそこんところを、しっかりお伝えしていきますし、他の心ある自転車店だって、きっとそうしているはず。だからやっぱり、お店選びは慎重に! とも思っちゃったりするのです。